福祉業界にはさまざまな人たちがいます。
前職がヤ○ザ、ギャル、ヤンキーなど、およそ介護とは無縁だろうと考えられている人たちの中からでも、介護のトビラをノックしてくる人がいるのです。
その中でも、結構な割合でいるのが
「お祖父ちゃん(お祖母ちゃん)を介護していた経験を活かしたい」
という気持ちで入ってきた方々なのです。
家族介護の経験を活かす方法
今や大介護時代の到来。
特別養護老人ホームや、グループホームもなかなか入ることが出来ないので、祖父母がボケてしまうと家族の誰かが犠牲になる必要があります。
普通、赤ちゃんのおむつは変えても、大人のおむつなんて変えた経験のある人はほとんどいないでしょう。
ましてや大人は重たいし、おむつ交換以外にもやることがたくさんあって、こんな事を一生やるのかと思うと精神的に参ってしまいます。
そんな辛い家族介護を乗り越えてきている人たちが、知識や経験を活かして福祉業界に来てくれると渡りに船。
介護施設の救世主にもなりうる即戦力なのです。
資格のいらない世界
家族介護からスタートすると、資格がネックになってくると思いますが、介護の業界は普通の仕事とは少し違っていて、資格が必要か?といわれると案外そうでもなかったりするんですよ。
例えば、経験4年目の介護福祉士が、10年目のヘルパーのおばちゃんに怒られてたりする面白いところを見かけたりしますね。
あれば便利な資格はたくさんありますが、なくてもそんなに困らないというのが介護職のいいところです。
また、資格を取れば責任も一緒についてくるようになる為、面倒くさがって介護福祉士を取らない人たちもいたりするくらいユル~い感じで時間が流れてます。
実際にどんな資格を持っているかよりも経験年数のほうが重要な世界なので、ベテランのおばちゃん達の頼もしさに何度も救われました。
ボランティアの道へ進む人々
ご家族の介護が一段落ついてポッカリと時間が空いてしまったら、何か始めたい気持ちはすごく分かります。
いきなり仕事を始めるのも嫌だし、でも何もしないのも嫌だ。
そういうときは週末プチボランティアなどはどうでしょうか。
ボランティアの探し方
このドットファイブトーキョーさんは、週末(主に土日)を使って介護支援施設へのボランティア訪問をしています。
こういう地元密着型ボランティアだと参加できる地域が限られてきますが、ボランティアを募集しているNPO法人はたくさんあるので、検索してみると案外面白そうな場所も見つかるかも。
ボランティアの主な募集内容は、
- 行事・レクリエーションの補助
- 利用者さんの話し相手
- 施設の清掃
などの人手が必要だけど、仕事としては頼みにくいものが多い傾向ですね。
今はホームページで募集しているところがたくさんあるので、「地元名+ボランティア」などで探してみてください。
あのヤフーも全国区でのボランティア募集をしています。
⇒「Yahoo!ボランティア」
介護経験を活かして働きたい
週末のボランティアは良いんだけど、それよりも介護経験を活かして働きたい時。
時間に余裕があれば、正社員や派遣社員として働くのも良いと思います。
例えば介護職員を募集している求人サイトがたくさんあるので、いくつかピックアップしてみて登録すれば、自然に求人情報が集まるようになります。
ちなみにハローワークだけでの求職はブラック求人が多いのでおすすめしていません。
時間に余裕がない場合
朝8時に子どもたちを送り出して、それから帰ってくるまでの数時間だけ暇になるのよ、といった場合には、パートやアルバイトが手軽に始められていいですね。
パート、アルバイトともに明確な違いがないため、2つとも時間の自由がきく仕事だと思って大丈夫です。
パート・アルバイトの実情は?
職場によってはかなり時間の自由がきくので、週3日で、1日2,3時間だけという就業もいけます。
これだと最低時間で計算しても
「一週間に3日x一日2時間x一ヶ月(4週間)=24時間/月」
これくらいは働くことができ、時給1000円なら2万4千円のお給料になるので、家計の足しでもお小遣いでも好きに使えます。
都会の方にいけば、経験者だと1500円前後で募集しているところもあるので、さらにお給料がアップするかも。
仕事に慣れたり、時間の余裕が出てきたらガッツリシフトをいれてもらえばいいので、最初は小さく始めてもいいのがパート・アルバイトの魅力ですね。
経験を活かして誰かの役に立つ仕事を
介護業界が今一番必要としている人たちってどういう人か分かりますか?
そう。
介護を経験している人なのです。
昔、介護職についていた人はもちろん大歓迎ですが、親族の介護の経験者も重要な戦力として見られています。
特に、
「私はブランクがあるから無理だわ」
と考えている人でも、まったくの初心者と比べれば心構えや意識が全然違うので、どこの会社も積極的に採用しています。
正社員を目指す
介護職として施設職員になるのは、他の職業で正社員になることから比べると優しい部類に入ります。
安定したお給料が欲しい、厚生年金に入りたいなど様々な理由があると思いますが、介護を経験しているなら介護職を目指すのが一番安定して働くことができます。
何より、今までは独学で学んできた介護ですが、今後は現場で本格的な介護の知識を覚えることができるので、またさらに実践的なテクニックを磨くことができます。
さらに、利用者さんはたくさんいますが、職員もたくさんいるので、問題が起こっても一人で悩まなくてすむのもメリットです。
派遣社員で気楽に仕事
正社員はちょっと・・・、という人の間で流行っているのが派遣社員として働く方法です。
- 場所を選べる
- 時給が高い
- 休みが守られる
このように正社員とはスタイルが違うので、大きな責任を背負いたくない人や出世欲のない人に人気があります。
派遣社員というと、流行語にもなった派遣切りというコトバが頭をよぎりますが、なにせ人手不足の介護業界なので切られても次がある、というか、まず切られる事がないわけです。
これは介護業界だけの独特な風景ですね。
派遣社員は意外と多い
非正規職員として働いているのは約47%、実に半分の人が派遣社員として働いているんですね。
正社員と比べると手当や時給が優遇されているので、都心部のベテラン介護士さんだと旦那の給料を超えている人もいるみたいです。
職場との人間関係や賃金未払いトラブルは派遣会社が間に入ってくれるので、介護職にありがちなブラックな話をシャットアウトできる安心感があるんです。
介護の世界は奥が深い
実際に働いていると色々な人がいる、というのは冒頭でも書きましたけど、働き方も人によって色々で本当に面白いです。
新人さんがやたら慣れているなーって思ったら親族介護の経験者だったり、お年寄りと話すの上手いなーって思ったら高齢者用に羽毛布団を売っている元営業さんだったりするんですね。
世間では奇異な目で見られがちな介護ですけど、見るとやるのは大違いで、毎日新しい発見があってワクワクします。
最近では、専門学校卒業してすぐの新人が、「施設のやり方が気に食わない」っていって、自分で事業所を立ち上げちゃいましたし。
ホント、若い子って馬力ありますよね。
まとめ
- 少しでも関わっていたい・・・ボランティア
- 少しだけ働きたい・・・パート・アルバイト
- シッカリと働きたい・・・正社員
- 余裕をもって働きたい・・・派遣社員
福祉・介護の世界に関わる方法としてはこういう流れですね。
介護業界はなんだかんだでいつも人手不足気味なので、お仕事をするなら最高にホットな職種です。
ノルマもないし、上下関係もない、決して楽ではないですけど利用者さんからの「ありがとう」の声を直接いただける貴重なお仕事だと思っています。
ご家族介護で養ってきたスキルを、次はお年寄りの居場所を守る仕事に生かしてみませんか?