どんな仕事でも、目標を持って働くことは大切です。
でも介護現場で働く人たちの中には、実際に何を目標にすれば良いか分からない、という話もよく聞きます。
具体的に目標を定めることは、仕事にもやりがいが持てたり、足りないスキルを見つけることができたりと、自分の成長に欠かせないものなんですけどね。
なので上手な目標設定の方法を考えていきましょう!
介護士の最終的な目標って?
介護職で働く人にとって最終的な目標とは何でしょうか?
- ケアマネージャーなどの資格をとること
- 独立して事業所を新規に立ち上げること
など、人それぞれ目指すところは違ってくると思います。
ですが、すべてにおいて共通しているのは
利用者さんの幸せな老後のお手伝い
ではないでしょうか。
介護士として働く意味
介護士の役割は、サービスの利用者さんが快適な生活を送れるようにサポートすることです。
施設介護にしても、通所介護にしても、訪問介護にしても、より質の高い介護を提供することで、サービスを受ける高齢者さんも安心して過ごすことが出来ますよね。
さらに、利用者さんの生活を守るというのは、ひいてはご家族の生活を守るということにも繋がります。
介護士をしていると心の底から「ありがとう」という感謝の言葉をよくいただきます。
ほかの一般職と比べて、収入面や勤務時間帯で大変な思いもしていますが、それでも介護士を続けていこうと思うのは、直接気持ちのやり取りができるという部分が大きいと思います。
介護技術の向上と・・・
とはいえ介護士は、昔のように気持ちだけでやっていける仕事から変化しつつあります。
精神的なケアも含めた介護技術の向上によって、お世話する利用者さんの幸せな老後に寄り添える介護士として成長していくのではないかなぁ、と思います。
「こうなれればいいなぁ」という曖昧な気持ちで日々ルーチンワークをこなしていても、中々技術の向上には繋がりにくいので、具体的に「こうなりたい」という目標を定め、それに向かって努力していくことで、誰にも負けないあなただけの技術が積み重ねられていくわけです。
技術の向上=利用者さんの幸せ
という風にすぐ直結するわけではありませんが、それでも利用者さんを思う気持ちがあれば、自然に身についてくるものだと思っています。
つまり、
利用者さんを思う気持ち=技術の向上
に繋がってくる、というわけですね。
目標設定の重要性?
さてここで、
「目標なんて決めてもしょうがないよ。毎日目の前の仕事をこなすのに必死だし。」
なんて思っている人はこれを見て下さい。
- 言われたことをただやるだけの人間
- 自分であれこれと工夫して進めていく人間
上記であれば、どちらがより成長すると思いますか?
自分で考え成長するチカラ
与えられたことをこなしているだけだと、自分で考える力が身につきにくいというのが、最近の風潮です。
なので最初に目標を決めてしまって、それに向かって具体的にやるべきことを考え始めるようになるのが重要になってくるのです。
もちろん上手くいくことばかりではなく失敗することも多いと思いますが、目標があればただミスをして終わりではなく、それも自分の知識や経験として吸収していくことができます。
自分でゴールを決めることによって主体性も出てくるので、日々の仕事に前向きに取り組むことができ、よりいっそう学ぶ意欲もわいてくるでしょう。
目標を立てることは、自分自身が成長するために必要なことだといえるのです。
目標は短期・中期・長期で考える
では、いきなり
「将来はケアマネージャー(介護支援専門員)になって多くの人に役立つケアプランを立てられるようになりたい!」
と思いたったとしても、ケアマネの取得には実務経験が必要であったり、筆記試験を乗り越えなければいけなかったりするので、道のりは遠く実現にはたくさんの時間がかかります。
例えるなら、マラソンをイメージしてください
最初から42.195kmの長距離をいきなり完走(ゴール)できる人なんていませんよね。
まずは練習を積んで、1kmを走れるようになり、次は3km、5km、10kmと少しずつ距離が伸びていき、最後はフルマラソンが走れるようになる。
といくつかのステップを進んでいくわけです。
目標を掲げることも同じで、最終的に「こうなりたい」という姿に向けて、短期・中期・長期と自分なりに区切って到達点を設定していくことで、目標点に到達することができまるんです。
介護職における具体的な目標設定とは
これから介護の世界で働くという人のために、仮プランを組んでみましょう。
今回の最終目標は「利用者さんがより良い生活を送り幸せになること」に設定してみますね。
短期目標
「利用者さんとしっかりコミュニケーションをとって要望を聞く」
1ヶ月を目安に短期目標として掲げてみましょう。
最初のころは仕事を覚えながらなので、平行してコミュニケーションをとっていくのは難しい作業になりますよね。
これを作業と思わず自然にできるようになることで目標クリアとしましょう。
中期目標
「ケアマネージャーの作成したケアプランを理解する」
「ケアプランに沿って利用者さんがより自立できる介護を考える」
中期目標は、より実践的な方向で目標を考えましょう。
目標期間は三ヶ月~半年くらいを目処にして、自分で介護・福祉に関する書籍を読んでみたり、セミナーや講演会に積極的に参加することで具体的な形にしていきます。
答えの出しにくい性質の目標なので、周りの人に「こういう目標を持って取り組んできたたんですけど、私は実際にできていますか?」と評価を聞いてみてもいいと思います。
長期目標
「介護福祉士の資格を取得する」
「事業所としての独立を考える」
介福士は専門学校卒なら持っている人も多いんですけど、持っていないなら取得を視野に入れてみてはいかがでしょうか。
といっても、実務経験の3年さえクリアできれば取れたようなものなので、そこまで難しくはありませんね。
さらにその先の独立を考えて働いてみるのも良いかも知れません。
介護関係の仕事は独立のしやすさも魅力の一つですからね。
ということで
目標設定のポイントは、
- 具体的であること
- 短期目標を繰り返して中期目標に近づけること
- 中期目標を繰り返して長期目標に近づけること
- あまりに高い目標だと挫折するので、頑張れば手の届くものにする
- 逆に、簡単すぎるものは達成感がないので避ける
「こんな介護士になりたい!」というイメージを先に作っておけば、目標の設定がしやすいと思います。
また、紙に書くなどして常に目のつくところに貼っておく、定期的に見直して進み具合をチェックする、などでいつも意識できるようにしておきましょう。
これから始まる制度を活用する
平成24年度より始まった「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」を知っていますか?
これは、介護の現場における実践的なスキルを客観的な視点で評価するための指標で、介護職で働く人たちのキャリアを応援するものとして設立されました。
まだ具体的に何かが始まっているわけではありませんが、これからの介護職にとって切り離せない指標になる予定です。
段位って?
段位は介護の入門レベルからプロフェッショナルまで7段階に分かれていて、高い段位を持つ職員が多い施設や事業所ほど質の高い介護を提供できる証明となります。
これらの段位を実際の目標に設定することは、達成すると公に評価してもらえるのでより目指すところが明確になるメリットがあります。
制度の内容にのっとったものを目標にして実務経験を積むことで、段位の取得に必要な資格もスムーズに挑戦できますね。
もしかするとお給料にも!?
また近い将来、段位制度をもって介護職員のお給料に上乗せされる「処遇改善加算」の要件に加えられることが検討されていて、高い段位を取得すればそれだけお給料が増えるようになるかもしれません。
こういう現場を知らない人たちでも分かりやすい指標ができることで、自分の価値を正確に伝えることができるようになることはすごく重要なことだと思いませんか?
雇う側からのメリットも大きいので、このまま広まっていけば介護業界が劇的に変わる可能性があります。
スキルアップを考慮してくれる職場の探し方
介護プロフェッショナルキャリア段位制度が始まったといっても、お給料に反映されない会社もまだまだたくさんあります。
せっかく苦労して取った資格を活かせないのも考えもの。
ということで、資格を取ったらキャリアアップのために転職をする人が増えています。
ただし、経験者しか雇わないような会社だと、お給料が高い代わりに雇用の門が狭くなっています。
なので↓のような介護転職の専門サイトで探してみてください。
まとめ
このように、具体的な目標を持つことで仕事への取り組みも変わってきますし、いちスタッフとして働くよりもっと現場に深く歩み寄れるのではないでしょうか。
とはいっても、人によって求めるものはバラバラですから、状況によって目標設定は変わってくると思います。
向上心がある人や、生活が最低限できればいい人など様々な人間が集まっているのが介護職の面白いところですよね。