介護業界が深刻な人出不足、というニュースをよく聞きますが、確かに介護の求人は昔に比べてずっと多くなったような気がします。
最近は、正社員だけではなく派遣社員の募集もよく目にしますね。
介護士として働いてみたいと思った時、派遣社員と正社員の違いってなんだろう?
いざ働きだしてみて、派遣社員と正社員であまりに違いがあると、正直働くことが苦痛になることも・・・。
なので、気になる派遣社員と正社員の違いを調べてみました。
派遣社員と正社員ってどこが違うの?
派遣社員と正社員の違いで気になる部分はいろいろありますが、
・お給料
・働く時間
・勤務地
これらは差がありそうなところですね。
ひとつずつ取り上げていきます。
・お給料
【正社員】
月給制で支払われる会社がほとんどで、毎月安定した収入があります。
一般的な施設で働く正社員の場合、手取りは月で15~17万円前後が普通ではないでしょうか。
【派遣社員】
9割が時給制になります。地域によっても変わってきますが、都会だと1,500円前後、田舎の方だと1,000円前後の時間給が標準です。夜勤がある場合は回数で計算されますが、1回25,000円前後になります。
働き方次第では正社員のお給料を超えてしまうこともあるんですね。
・働く時間
働く時間に関しては、派遣社員も正社員もあまり差はありません。
介護業界は勤務時間が決まっている一般の仕事と違い、訪問介護やデイサービスのように日中だけという勤務もありますが、常に入居者がいる施設の場合は宿直や夜勤のような変則の勤務もあります。
常に入居者がいる施設の場合、正社員はシフト制で勤務することがほとんどですが、派遣社員の場合は働く時間をある程度自分で決めることが出来ます。
日勤(通常勤務)だけ、夜勤だけという働き方も選べるので、正社員より派遣社員の方が時間に融通が効くのが特徴です。
・勤務地
正社員の場合は、同じ会社でも違う施設・事業所への異動があったりします。これは他の職種でも同じですが、会社の意向によって決まるため、断ることは通常難しいですね。
派遣社員の場合、自分の希望する土地で働くことができます。また、同じ会社でも違う施設などに異動することはありませんので、ひとつの場所で長く働くことが可能です。
正社員のメリット・デメリット
介護士の求人は多く、正社員での募集も今はどの業種よりたくさん出ているかもしれません。
ホームヘルパーなど資格を持っている人は、どこの会社も欲しがっているところ。
今は新しく事業所を立ち上げる企業も多く、オープニングスタッフとして一から会社づくりに参加できる機会もあります。
正社員になるメリット
・お給料が保証されている
正社員で働くことの一番のメリットは、毎月決まった額のお給料が支払われることです。年に数回、ボーナスが支給される会社もまだ多いですね。
昇給や退職金があることも正社員ならでは。長く勤めれば勤めるほど、もらえるお金が増えます。
・福利厚生がしっかりしている
福利厚生とは、お給料以外で正社員が会社からもらえるサービスのこと。
健康保険や厚生年金、また雇用保険など、保険料の半額または全額を会社が支払ってくれます。
・スキルアップできる
介護士として成長を望んでいる会社は、正社員には社内研修を受けさせたり資格をとるためのお金を補助したり、スキルアップする機会を与えてくれます。
また、昇給や昇格があり、キャリアを積んでフロア長や施設長に出世するのも夢ではありません。
正社員のデメリット
・残業・休日出勤がある
介護業界は、日勤の他にも宿直や夜勤などがあり、働く時間が長いです。
人の少ない施設や事業所では仕事が終わらずに日々残業になったり、また、残業代がきちんと支払われない「サービス残業」になることも。休日出勤もせざるを得ない場合が多いです。
・異動や転勤がある
会社によってはたくさんの事業所を抱えており、今の場所に慣れてきた頃に異動、なんてこともあります。また、大きな会社になると転勤があることも。
派遣社員のメリット・デメリット
今の介護業界は、派遣社員として働く人もだいぶ増えてきました。
常に人出不足の問題を抱えている介護業界は、すぐに来てくれる派遣社員を積極的に雇おうとする傾向にあります。
介護専門の派遣会社も登場しており、介護業界で働いてみたいという人には挑戦しやすいですね。
派遣社員になるメリット
・働く時間や勤務地を選べる
派遣社員の良いところは、働く時間や勤務地を自分で決められるところです。
家の近くで働きたい、日勤の時間だけ働きたいなど、あらかじめ派遣会社に希望を伝えておけば、条件に合った仕事を探してくれます。
・時給が高い
介護業界の派遣社員は、高い時給で働くことができます。資格を持っていれば時給1,500円という会社も多いです。
資格を取得する際の費用を負担してくれる派遣会社もあり、介護業界が未経験という人でも安心して働けます。
残業などは会社との話し合いで決まりますが、もし残業した場合もしっかりその分のお金が支払われます。また、夜勤がある時は派遣会社から手当がつきます。休日出勤も割増料金が加算されます。
働いた分だけしっかり稼げることは、派遣社員の大きなメリットです。
・何かあれば派遣会社が守ってくれる
例えば、契約以外の仕事をさせられる、人間関係で悩んでいるなどトラブルがあった場合、派遣会社が間に入ってくれます。
派遣社員は派遣会社に雇われているので、勤め先との交渉はすべて派遣会社を通すことになります。なので、どうしても仕事を辞めたくなった場合なども、派遣会社が代わりに交渉してくれます。
また、お給料は派遣会社が管理しているので、お給料の未払いなどのトラブルが少ないことも魅力ですね。
派遣社員のデメリット
・働ける期間が安定しない
ひとつの会社である程度長く働くことができたとしても、もし契約の更新がされなかった場合、仕事はそこで終わります。
また、長期の契約であったとしてもいつ打ち切られるか分からない不安もあります。
ひとつの契約が終わったあとすぐに次の仕事が見つかるとは限らないので、働ける期間が安定しないことは派遣社員の大きなデメリットだといえます。
派遣から正社員になれる人ってどのくらいいるの?
派遣社員から正社員になることって出来るの?どのくらいの人が正社員になってるの?
と思うこともあると思います。
派遣社員から正社員になる方法としては、「紹介予定派遣」を利用して働いてみることができます。
「紹介予定派遣」とは、「あらかじめ直接雇用することを前提に、ある一定の期間派遣社員として働き、その後会社と本人が合意した場合に正社員や契約社員として雇用する」というものです。
つまり、「お試しで派遣社員として働いてみてね」ということです。
紹介予定派遣を利用した人のうち、実際に直接雇用となった人は56%となっており、半数の人が実現できています。
【参考】
「平成26年度 労働者派遣事業報告書の集計結果」(表10 紹介予定派遣の現状) 厚生労働省
「直接雇用」というのは、正社員だけではなく契約社員も含まれますが、正社員を目指す人にとっては大きなチャンスとなりますね。
紹介予定派遣は「あらかじめ会社との相性をじっくりチェックすることが出来る」ことが最大のメリットであり、失敗しない会社選びのひとつとして、利用してみるのもオススメです。
まとめ
派遣社員にも正社員にも、それぞれメリット・デメリットはあります。
どちらが良いということではなく、「どちらの働き方が自分に合っているか」を考えることが大切です。
じっくりと比較してみて、ぜひ自分に合った働き方を選んでください。