どんな仕事でも、入ったばかりは右も左も分からなくて、大変なことが多いですよね。
介護職は特に高齢者と触れ合う人間が相手のお仕事、緊張もするし、覚えるスピードも人それぞれです。
がんばってるんだけど、周りと比べてしまったり、先輩に怒られてヘコんだり。
「新人」ってみんなこうなのかなぁ・・・。
現場での悩み
介護職に就いた新人さんが悩むことって、やっぱり現場でのことが一番多いと思います。
普段の生活ではやらない作業が多くて、戸惑うこともありますよね。
入ったばかりのころは誰かに教わることがほとんどですが、忙しい中で覚えるのって大変!
人によってやり方が違う
「Aさんはこう言っていたのに、B先輩のやり方は違う・・・」
例えばオムツ交換のやり方ひとつでも、教育してくれる職員・先輩によって方法が違っていてどっちでやればいいか分からない、ってことありますよね。
「何で教えたことと違うやり方してるの?」
と怒られてしまうことも。
職員や先輩たちは、自分なりにやりやすい方法というものを持っていてそれを教えてくれているのですが、新人のころはそれが正しいのかどうかが判断できません。
そういう時は、教えてもらったことはそのまま素直に受け止めるのが良いと思います。
やり方が違うというのは、「多くの方法を学べる」ということ。
こういうのもあるんだ、と柔軟に吸収していくことで、自分でも納得のいく方法が見つかります。
また、教えてくれる職員や先輩たちは、あなたの覚え具合を見ています。
教わったことをきちんと習得している姿勢を見せることも、信頼を得るためには必要です。
たくさんの方法を知り、その中で自分なりに上手くいくやり方を探っていくのが上達のコツかもしれません。
マニュアルが欲しい・・・
一方で、「統一されたやり方があれば楽なのに・・・」という悩みもありますよね。
昔から経営が続いている大きな施設なら新人用のマニュアルがあるかもしれませんが、新しい施設や事業所が増えている今の介護業界では、まだまだそういうものはないところが多いのが現状です。
マニュアルさえあれば、困ったときに誰でも見られて便利なのに・・・と思いますが、作成には時間がかかるし、やり方をまとめるというのも、一人ひとり状態の違う利用者さん相手のお仕事では難しいかもしれません。
なので、いっそ自分で自分用のマニュアルを作ってしまう、という方法もあります。
排せつ介助ときはこんなやり方が上手くいく、入浴介助はこの順番で、など、スムーズなやり方をまとめておけば、困ったときに見返すことができて便利ですよ。
また、次に新人さんが入ってきたときも「私はこんなやり方で上手くいったよ」と説明がしやすいので、教えるときにも役立つと思います。
方法をまとめることは頭の整理にもつながるので、より失敗の少ない作業をするためには有効なやり方です。
自分専用のマニュアル、作ってみませんか?
研修制度がない
新人さんを対象にした研修も、施設や事業所によってまちまちなところが多いです。
中には入ってすぐ現場に出されるところもあるでしょう。
求人には新人研修ありと書いてあっても、実際は数時間説明があってその日のうちに現場へ、という会社も。
未経験で介護の世界に入った場合、いきなり現場で仕事するのは難しいですよね。
今はインターネットや書籍など、介護のお仕事を学べるものはたくさんあるので、会社に研修制度がなくても積極的に勉強していきましょう。
新人のころは仕事を覚えるだけで精一杯ですが、すきま時間を使って検索するだけでも、欲しい情報を目にすることができます。
また、同じような悩みを抱えている人と話すこともオススメです。
意見を交換することで新しい発見があったり、良いやり方が見つかることもありますよ。
職場のやり方になじめない
「うちはこうしているから」
と、納得のできないお世話の仕方を押し付けられることがあります。
せっかく入った会社なのに、掲げている理念とは程遠い現場。
これじゃ働くモチベーションが下がりますよね・・・。
「これでいいのか」と悩みながら利用者さんのお世話をするのは、とても苦しいことです。
こういう施設や事業所は、新しいやり方を嫌ってサービスの質がいつまでも向上しないまま、ということもよくあります。
希望を持って介護職の世界に入った新人さんにはショックですが、こういう会社がまだまだあることも現実。
会社のやり方に従って適当に働いている職員を見て、仕事が嫌になって辞めたという人も介護の世界にはたくさんいます。
自分の力ではどうしようもない、これ以上がんばりたくない、と思ったら、たとえ新人であってもいさぎよく転職することをオススメします。
働く場所はそこ以外にも必ずあるので、諦めずに次を探しましょう。
職員の雰囲気が悪い
職員同士の仲が悪い、チームメイトの雰囲気が悪いなど、人間関係の悩みは新人じゃなくても抱えてる人が多いかもしれません。
新人のころは表面的な人間関係しか見えず、思わぬトラブルに巻き込まれることも。
人間関係も、職場が押し付けるやり方のように、自分の力で改善するには限界があります。新人ならなおさら、どうすれば良いか分からないですよね。
自分から挨拶をしていく、率先して動くなどもちろん自分の努力は必要ですが、それでも上手くいかない場合、上司に相談する、配置転換をお願いするなど、環境を変えることも考えましょう。
ストレスで体を壊すほど悩んでしまっては本末転倒です。
もしそれでも改善されない場合は、無理せず転職を考えることも覚えておきましょう。
理想と現実のギャップ
「希望だった介護職のお仕事、がんばるぞー!」
と意気込んで入ったけど、現実は思ったよりずっと厳しかった・・・。
入ったばかりのころは、そんな理想と現実のギャップに悩むこともありますね。
利用者さんとのやり取りが上手くいかない
一人ひとり状態の違う高齢者の相手をするのは、新人だと気が付かないこともあったりして精神的に大変な面もあります。
気が利かない人と思われてしまったり、時には乱暴な言葉をぶつけられることもあるかもしれません。
こればかりは経験を積んでいくしかないですが、利用者さんにとっては自分も職員のひとりです。
大切なのはコミュニケーションを諦めないこと。
こちらが心を開いて接していかないと、相手も心を開けません。
「新人で至らないところがありますが、がんばります」という姿勢があれば、利用者さんもきっと受け入れてくれます。
夜勤など不規則な勤務でしんどい
現場の仕事以外にも、夜勤や宿直など、不規則な勤務に慣れずしんどい思いもすることもありますね。
入所型の施設は24時間体制で介護するので、どうしてもシフト制の勤務になりがちです。
ですが、夜勤などは手当がつくのでそれを励みにがんばる、という考え方もあります。
またシフト制の良いところは、平日にお休みがあること。
ゆっくりお買い物に行けたり映画を観たり、平日のお休みにはメリットもあります。
体調管理は気をつけたいところですが、不規則だからこそできる楽しみもあるのでは、と思います。
介護職の新人さんに覚えておいて欲しいこと
自分なりの目標を持ってコツコツとやっていくこと
新人のころは目の前の仕事で忙しく、「目標が作れない」「何を目標にすれば良いか分からない」という声を聞くことがあります。
確かに、日々の勤務をこなすのが精一杯で自分を振り返る余裕がないかもしれません。
まずは、目の前の仕事をコツコツと覚えていくことを目標にしてみてはどうでしょうか?
今日は車椅子への移動がうまくできた、入浴のときに腰が痛くならない姿勢を覚えたなど、自分なりの達成感を持つことは、小さなことであってもモチベーションを維持するのに大切なことです。
上手なストレス発散方法を見つけること
また、ストレスを上手に発散できる方法を持っていると、気持ちの切り替えができて楽ですよ。
趣味や習い事など、仕事以外に集中できるものがあると、それだけで気分転換ができます。
長く介護職を続けている人の中には、自分なりのストレス解消法を持っている人も多いので、職場の先輩に訊いてみるのも良いですね。
利用者さんに信頼される職員になること
介護職で働く人間として「利用者さんが信頼できる職員であること」は、立派な肩書です。
どんな役職についていても、資格を持っていても、利用者さんが見向きもしない職員であっては、成功しているとはいえません。
「あなたがいい」と言われるくらい、利用者さんに頼りにされる職員を目指してください。
それが、介護の世界で働く人間として一番目指すべきところではないでしょうか。
まとめ
誰だって最初は新人からのスタートなのです。
最初のうちは覚えることが多くて大変ですが、安心して下さい。すぐに慣れてきます。
職場で憧れのあの人も、私みたいに新人時代があったのかも、と思うとやる気が出ませんか?
まずは、自分なりの目標を持って小さな努力を積み重ねることで、利用者さんから信頼される介護士へと確実に近づいていけます。
ゆっくりで良いので、焦らずに一歩づつ進んで行って下さいね。