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介護士

「人が辞めない」介護の現場、離職率が年々下がっているんだって!?

介護のお仕事は、「キツくてすぐに辞めてしまう」というイメージがありませんか?

確かに、現場の仕事は肉体的にも精神的にもしんどい時があるかもしれません。

だけど、今は多くの施設や事業所が働く環境の改善に取り組んでいるのです。

 

その結果、介護職は他の職種と比べて離職率が年々下がってきている状態なんです。

そこで、施設や事業所の取り組み、辞めていく人の現実について紹介したいと思います。

 

年々下がる介護職の離職率。理由は?

車いすの高齢者と介護士のイラスト

 

産業別入職率・離職率の図

 

【参考】
「平成26年雇用動向調査結果の概況 2.産業別の入職と離職」(PDFファイル) 厚生労働省

 

上の図を見ると、「医療、福祉」産業における入職率は16.3%、離職率は15.7%と、「就職してから辞める人」の割合が他と比べてすごく低いことが分かると思います。

逆に、「宿泊業、飲食サービス業」や「生活関連サービス業、娯楽業」など他のサービス業を見てみると、入職率と離職率には大きな差があり、「就職する人は多いけど辞める人も多い」ことが分かりますね。

 

入職率が16.3%というのは、決して高い数字ではありません。

そのため、施設や事業所の多くが、採用した人に長く働いてもらうために(辞めてしまわないために)、あれこれと改善を進めています。

あらゆるサービス業の中でも離職率が低いということは、それだけ仕事を続けやすい環境が整ってきているということです。

 

事業所における介護労働実態・離職率の図【参考】
平成26年度「介護労働実態調査」の結果(事業所における介護労働実態調査及び介護労働者の就業実態と就業意識調査) (公財)介護労働安定センター

 

上の図では、介護職の離職率が年々下がってきていることが分かります

職場や現場の改善が進む中で、世間のイメージとは違い、介護の仕事を続けようとしている人が多いのが今の介護職です。

辞める人の4割は「1年未満」の人

離職者の勤続年数の図

【参考】
「介護労働の現状について 平成24年度介護労働実態調査」(PDFファイル) 介護労働安定センター

 

上の図を見ると、介護職を辞めていく人のほとんどは勤続年数が3年未満の人であり、中でも「1年未満」しか働いていなかった人が4割を占めていることが分かります。

「介護職はすぐに辞めていく人が多い」というデータは、このような短い在職期間の人たちも含まれているため、どうしても高い数字になりがちです。

「人間関係で問題があった」「職場のやり方に納得ができなかった」など、辞める理由はさまざまだと思いますが、中には「規模の小さな事業所で思うように働けなかった」、「開業したばかりの施設で忙しすぎた」など、人手不足が原因となっているところもあります。

「介護の仕事がキツいから」という理由だけではないのが、今の介護業界です。

ですが、最近では未経験で介護職に就職した人でも、長い期間働いている方がたくさんいます。

「職員の待遇など改善を進めている」という施設や事業所の努力が実った結果ですね。

 

それでは、介護の職場や現場ではどのような取り組みが行われているのでしょうか?

 

「人が辞める職場」と「辞めない職場」の二極化

体操をする車いすの高齢者と介護士のイラスト

介護業界において、施設や事業所を運営する人の多くが頭を悩ませているのが、「働く人が定着しない」という問題。

せっかく志を持って就職してきても、すぐに辞めていってしまう・・・。

介護の仕事は経験を積んでナンボ、ずっと働いてもらうためには、職場や現場の「働く環境」を整えていくことが大切なんですね。

 

東京のある特別養護老人ホームでは、働く人のモチベーションをあげるための努力を続けています。

  • 最初はパートという形で就職してきても、本人の意思や能力次第で正社員になれる制度がある
  • パートと正社員に同額のボーナスを出す
  • 一人の利用者さんを複数の職員でケアする「ユニットケア」を進めている

正社員でもパートでも同じような待遇で働けるというのは、やる気が出ますよね。

皆で選んだリーダーを先頭にしたチームで現場の作業に取り組むことも、一人に負担をかけすぎず、問題があっても皆で考えることができるので、前向きな気持ちで仕事ができるのではないでしょうか。

【参考】
介護職員が辞めない4つの秘訣 – 社会福祉法人白百合会 特別養護老人ホーム 増戸ホーム

 

会社としての「辞めない」取り組み

また、資格を取得するための費用を施設が払う、育休後から復職する時には短時間勤務などの配慮をする、年休を希望通りとってもらうなどの取り組みを行っている施設も。

産休や育休後の復職は、女性にとって大きな問題ですね。

結婚や出産があっても辞めなくて済むように、また復職しやすい環境づくりを行っている施設なら、長く働くことができますね。

【参考】
施設職員の離職率ゼロを目指して 社会福祉法人若葉会 特別養護老人ホーム宣山荘(PDFファイル)

 

このように、現在は「人が辞めていく職場」と「人が辞めない職場」がはっきり別れてきています。

「辞めない職場」は、積極的に研修を行って職員のスキルアップをはかったり、他の事業所の職員たちと勉強会を行ったりと、職員のモチベーションをあげる努力をしています

より良い職場で働くためには、求人の案内をしっかり確認すること、またいきなり正社員ではなくても、パートや派遣社員から勤務してみることもオススメです。

 

国の支援も進んでいる

また、厚生労働省は、2016年度より従業員の賃金に定期昇給制度を導入した介護事業者に対して、助成金を支給すると発表しました。

現在介護業界では、ブラックな運営会社や小さな事業所の場合、定期的な昇給を行っていないのが現実です。

「介護職はお給料が少ない」と言われてきましたが、これからは施設や事業所がこの制度を活用することにより、職員が「頑張ればお給料が上がる」という希望を持って働くことができますよね。

定期昇給制度を導入して離職率が低下した場合には「最大200万円」が支給されるので、施設や事業所にとってもメリットのある制度なのです。

まとめ

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いかがでしたか?

今は、施設や事業所も、何とか採用した人に残って欲しいとあれこれと手を打っています。

せっかく働く意思を持って介護業界に飛び込んだのに、「職場に馴染めないから」とか「理想と違うから」とすぐに辞めてしまうのはもったいないですよね。

職場や現場の改善は、国も取り組みを助けようといろいろな策を考えています。

今後も大きな対策が行われる予定なので、ぜひ頑張っていきましょう。

 

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